南越消防組合

消防日記: 令和5年度南越前消防団水防訓練を実施しました!【南越前消防団(南消防署)トピックス】

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2023年9月 1日 (金)

令和5年度南越前消防団水防訓練を実施しました!【南越前消防団(南消防署)トピックス】

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 令和5年8月27日(日)9時から河野小学校グラウンドにおいて、南越前消防団・地域住民等総勢約100名が集結し、水防訓練を実施しました。

あの大雨激甚災害から1年・・・

 昨年8月5日朝。南越前町を今までに経験したことないようような猛烈な大雨が襲いました。町内200棟以上の住家が被害を受け、多くの団員の住宅も被害を受けました。

 まだまだ復興は道半ばですが、激甚災害にまで指定されたこの豪雨から1年が経過したことを機に、最前線で戦った南越前消防団として、改めて水防技術の向上を図ると共に、地域住民の方との連携も強化し「地域防災力の柱」となるべく、消防団が主体となって今回の実践的な訓練を企画しました。

【想定】県内に大雨・洪水警報が発令され、南越前町内の各河川の水位が著しく上昇!町内には、「警戒レベル3 高齢者等避難」「警戒レベル4 避難指示」が相次いで発令された・・・。

災害が起きる前に動け!

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 近年は、記録的短時間大雨や台風による命にかかわる水害の発生が多発しています。

 各種警報が発令され水害発生の危険性が高まったため、各分団は迅速に警戒・河川調査・避難広報に出動します。

内水氾濫発生!住民等の力で対応を!

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Rimg6216 降雨の勢いが側溝などの排水能力を上回ると、河川の氾濫などが起こっていなくても側溝から水が逆流して市街地にあふれ出す内水氾濫が発生!

 自主防災会が避難と並行して、土のうではなく身の回りにあるものを活用して浸水を防ぐ「都市型水防工法(簡易水防工法)」を実施!

 今回は、今まで何度も都市型水防工法訓練を実施している女性分団である山海里分団が指導にあたりました。

ついに町内の各河川水位が危険なレベルに・・・

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 依然降り続く大雨により、町内の河川水位がなおも上昇。

 全分団に出場下命があり、第1中隊(南条西、南条東、湯尾・宅良分団)には「積み土のう工法」の実施、第2中隊(今庄、鹿蒜、堺分団)には「改良積み土のう工法」の実施、第3中隊(糠、河野、桜橋分団)には「改良積み土のう工法」の実施が指示されました。

 まずは、各分団迅速に土のう作成を開始します。

迅速適切な土のう工法により、越水を阻止!

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 各中隊が下命された水防工法は、いずれも堤防を河川の水が超える「越水」を防ぐための水防工法です。

 各分団は、定期的に行う訓練で各種水防工法を習得・練磨しています。今回の訓練も迅速に水防工法を完成させ、見事に越水の阻止に成功しました!

 ・積み土のう工法:堤防上部で作成する最も基本的な水防工法。前後の土のうと間の詰め土で強度を出す。

 ・改良積み土のう工法:上記工法の改良型。L字に折ったシートと鉄杭でさらに水圧に対して強くなる。

 ・改良積み土のう工法(杭省略):コンクリート製堤防等にも実施できるよう上記工法を改良したもの。土のうをシートで被う。

ようやく大雨は峠を越し、被害は最小限に・・・

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 消防団や自主防災会の活躍により、浸水は食い止められ、各種警報も注意報に切り替わり、訓練が終了しました。

 山本消防団長からも、「迅速な水防工法作成に安心した。」との講評を頂きました。さらに、訓練を続け、火災だけでなく水災害時にも最前線で活躍する南越前消防団を目指します。

(訓練後、協力いただいた業者様による膨張型水のうのデモンストレーションを見学しました。)