南越消防組合

消防組合オフィシャルブログ: ☂風水害時における危険物施設⚠の保安確保について

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2019年9月 4日 (水)

☂風水害時における危険物施設⚠の保安確保について

 近年の風水害に伴う危険物施設の事故等を踏まえ、保安上の主な留意事項を以下のとおりまとめました。
 危険物施設の関係者におかれましては、風水害からの事故を防止するため、また被害低減の参考としてください。

1.平時からの事前の備え
  危険物施設の風水害想定を確認し、必要な措置を検討

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ステップ1➡危険物施設がある地域のハザードマップを確認する!
(確認事項)
◆当該施設が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っていないか?
◆降雨などに伴う浸水予想高などの確認
※県市町がホームページ等に掲載しているハザードマップ等を活用

ステップ2➡必要な措置を検討し、計画策定、教育訓練を行う。
◆被害発生を回避・低減するための必要な措置を検討する。
◆計画策定や教育訓練等の準備を行う。

〈事前の備えの例〉
・計画的な操業の停止や規模の縮小
・危険物の搬入・搬出の時期や経路の変更等に関する判断基準や実施要領の策定
・停電時においても温度や圧力等の管理を継続することが必要な物品については、自家発電設備等のバックアップを確保する
・応急対策について、従業員等の教育訓練を行う

2.風水害の危険性が高まってきた場合の応急対策
 風水害の危険性に応じた措置を行う

ステップ3➡防災情報の注視と災害予防措置
◆気象庁や地方公共団体等が発表する防災情報を注視する。
◆浸水、土砂流入、強風、停電時による危険性に応じた措置を講じる。

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〈浸水・土砂対策の例〉
・土のうや止水板等により危険物施設内への浸水や土砂流入を極力防止する。
・配管の弁やマンホールを閉鎖し、危険物の流出を防止するとともに、タンクや配管への水や土砂の混入を防止する。
・禁水性物質や金属の溶解高熱物など、水と触れると危険な物品については、高所へ移動する、水密性のある区画で保管する、金属の溶融高熱物の加熱をあらかじめ停止して十分温度を下げる等の措置を講じる。
・屋外にある容器及びコンテナは、流出防止のため、高所へ移動する、ワイヤーや金具で相互に緊結する、重いものを下方に積む等の措置を講じる。また、移動タンク貯蔵所についても、高台等へ移動を実施する。

〈強風対策の例〉
・飛来物により配管等が破損した場合における危険物の流出を最小限にするため、配管の弁等を閉鎖する。
・屋外にある容器及びコンテナは、転倒防止のため、ワイヤーや金具で相互に緊結する、重いものを下方に積む等の措置を講じる。

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〈停電対策の例〉
・危険物の製造や取扱いをあらかじめ停止しておく。
・温度や圧力等の管理を継続することが必要な物品については、自家発電設備等により所要の電力を確保する。

※上記の対策を講じるに当たっては、従事者等の避難安全を確保することが必要であり、十分な時間的余裕をもって作業を行う。
※浸水等に伴い、大規模な爆発など周辺に危害を及ぼす事態に至る可能性がある場合には、速やかに消防機関等へ通報(119番通報)を行うこと。

3.天候回復後の点検・復旧
 安全確認後、施設の使用再開

ステップ4➡安全確認
◆点検を行い、必要な補修を施した後で再稼働を行う。
※特に、浸水した施設では、電気設備のほか、危険物を取り扱う設備や配管も損傷している可能性があるため、目視点検だけでなく、作動状況や気密性、危険物への水の混入状況等について確認を実施する。
◆電力復旧時の通電火災や漏電の防止のため、危険物施設内の電気設備や配線の健全性を確認すること。


危険物安全推進標語
「無事故への 構え一分の 隙も無く」