南越消防組合

消防日記: 東消防署で救急症例検討会を実施しました

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2022年12月 1日 (木)

東消防署で救急症例検討会を実施しました

 令和4年11月29日(火曜日)東消防署において、東消防署及び池田分署の職員を交えて救急症例検討会を実施しました。

 この症例検討会は、実際に出場した救急事案を基に、現場での処置・判断について情報を共有し、署全体の救急活動のレベルアップを図るとともに、各種講習、学会での発表、部下・住民への指導及び対外的な折衝を想定し、救急救命士として必要なプレゼンテーション能力の向上を目的とし、東消防署、池田分署の救急救命士2名が経験した症例について発表しました。

【症例検討会の説明】

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 竹内指導救命士による症例検討会の事前説明

【1症例目の発表】

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 1症例目の発表風景① 

 1症例目は池田分署に勤務する橋本救急救命士による発表です。「現場での経験から学ぶ・変わる」という題目で、炎天下の中で作業中に意識状態が悪くなり救急要請され、救急出場した事案について活動内容を発表しました。

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 1症例目の発表風景②

 先入観を持って現場活動を行うと、重大な疾患を見落としてしまう危険性や判断ミスにつながる恐れがあること、現場での観察や処置に対する判断の難しさを学びました。

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 1症例目の質疑応答の様子

 発表後の質疑応答では、現在の救急活動に活かしている点や判断基準としていることは何か、といった質問や、情報を共有したことで今後の活動の参考になったという意見が出ました。

【2症例目の発表】

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 2症例目の発表風景①

 2症例目は東消防署に勤務する前田救急救命士の発表です。「DNARについて」という題目で、搬送途上に心肺停止状態となり、救命処置を拒否された事案について発表しました。

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 2症例目の発表風景②

 DNARとは、終末期医療において心肺停止状態になった時に心肺蘇生措置を行わないことを示すものです。現場で傷病者の自律尊重を考慮し活動を実施すると、搬送先の医療機関の選定や、救命処置の対応に戸惑った事案でした。DNARについては明確な対応が確立されていないため、正解は無いが、傷病者の不利益にならない丁寧な対応、接遇、説明が重要であると学んだ症例でした。

 
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 質疑応答の様子

DNARという難しい事案のため、自分だったらどう対応するかといった意見が多く交わされ、DNARは今後増えることが予想されるため、対応について考える良い機会となった、参考になったという多くの意見が出ました。

 

【講 評】

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 竹内指導救命士、松本指導救命士による検討会の講評

 

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 東消防署長の講評

 講評では2症例に対する意見と、自身が救急救命士として活動してきた経験談を基に、今後の救急活動へのアドバイスを頂きました。

 検討会に参加した救急救命士からは専門的な鋭い質問や意見、救急隊員として活動する職員からは積極的な質問や活発な意見が交わされました。また、指導救命士2名からも症例に対する意見や、MCでの検討結果が紹介され、今後の救急活動の参考となり、大変有意義な検討会となりました。

 今後も、このような検討会を通じて、職員の救急活動の資質向上を目指していきます。